金子文子

1923年9月3日金子文子、朴烈、代々木富ヶ谷の自宅で世田谷警察署により検束

1923年9月3日金子文子、朴烈、代々木富ヶ谷の自宅で世田谷警察署により検束

<九月一日の思出に──>

今日は九月一日── 震災のあったあの日はあの家のあの草原に、積み上げた畳の上で、てんでに訳の解らぬことを言い合い乍ら、なけなしの米を炊いて食べていた。貴方と××兄と××さん、それにPと妾だったね……隣の中学生が、ぼんやりと立って聞いていた。土手下で…