『ripresa リプレーザ』の刊行。第二号が出ている頃ですが。転載。「今、時代を語り明かす、読者参加型のオピニオン雑誌創刊

新雑誌「ripresa リプレーザ」発刊にあたって 「一つの世界空間」が生じて後、「不均衡な一つの言葉世界」が生じてしまったと強く感じる。2006年夏、アメリカ〈帝国〉を後ろ盾に、イスラエルによるパレスチナで、そしてレバノンでの蛮行が、国家テロリズムであるという囂々たる非難の声にさらされることなく、ハマースがヒズボラが「イスラム過激派」という形容句を付けて呼ばれ、圧倒的な力の差のある「反撃」が「テロ」と規定される事態を我々は許してしまっている。 他方この国においては、労働者が生きていることの尊厳さえ奪われ、資本から労働力としてのみ扱われる事態が進行していながら、「不況からの脱出」の喧噪に人々は息をひそめて耐えている。「生活弱者」は早く死ねと言わんばかりの政策があらゆる領域で進行しており、これが「改革」であると声高に叫ばれる事態は、いつか来た道である。  「生権力」のあり様総体を転換する言葉と思想に裏打ちされた永続的な運動が求められているにもかかわらず、我々はいまだ方途を求めて呻吟するばかりでいる。 しかし、「反転攻勢」の思いは捨てていないし、少しの余力を残しているという自負もある。そこで、虚飾かまびすしくその実お先真っ暗な暮らしと思想状況を刺し貫く言論の場の確保を目指して、「地獄は、一定、すみかぞかし」の思いを抱きつつ一拠点を築くことにした。 とりあえず2年間で季刊8冊の出版を企図している。  
2006年12月 ripresa編集委員会