1923年10月25日。

金子文子の第1回訊問調書が作成される。

調書(大正十二年十月二十五日東京地方裁判所) 金子 文子
(原本 冒頭略)

一問 氏名、年齢、族称、職業、住所、本籍及出生地は如何。

答 氏名は金子文子。年齢は戸籍面では二十二歳でありますが本当は二十歳であります。族称は平民。職業は人参行商。

朴烈の妻か。

入籍して居るか。

何時朴と一緒に為ったか。

昨年五月中より朴と同棲して居ります。

虚無主義です。

不逞社に加入して居るか。

本年四月中私と朴とが相談して不逞社を組織しました。

不逞社の仲間は誰か