1909年5月20日。管野、幸徳『自由思想』校正に行く 

前夜来抜目なく支度してマンマと警戒の眼を眩まし、雨の中を先生と校正に行く△校正刷りの裏に赤インキで「壮哉、吹き倒す起る吹かるる案山子哉」と書いてあった。ああ此処にも隠れた味方があると嬉しく思ふ△門に貼った「幸徳」と「平民社」の名刺を持去った悪戯者があるので「幸徳が夜逃げした」と大分警察で騒いださうなり 『自由思想』ニ号 「ぬきが記」 管野須賀子