池田浩士さん講演を聴く。
ナチス時代を体験したドイツ『国民』の多くが、『ヒトラー時代は良かった』という思いを抱いていたことも歴史の事実である。」
西ドイツでの戦後のアンケートにおいて、上記の回答が一定の割合で存在したことから語り始める。
「これは遠い外国の過去の一時代のエピソードに過ぎないのだろうか?現在の私たちの日々が、あのナチス時代と似ている、と言えば、それはあまりにも短絡的な比較である。しかし、ひょっとすると、ナチス時代に劣らぬ〈劇的〉な時代を、私たちは生きているのではあるまいか。あるいは、いきはじめているのではあるまいか。性急で単純な比較を戒めつつも、私たちの日々の中で急激に膨脹する〈ファシズム〉を見つめ…」これは講演案内に記された文である。
この後に当事者、関係者からの報告が続き法政大での弾圧、安田弁護士への最高裁の「強制」的な出廷命令に関する報告、立川反戦ビラまき、釜パトのメンバーによる公園からの野宿者排除(彼は香港での被弾圧者でもある)の実相を聞くと「ナチス時代に劣らぬ〈劇的〉な時代」ということがリアリティを持つ。
法政大での学生たちの拘束の仕方は1920年代の「行政執行法」による検束よりも対応はすさまじいものがある。「表」では教育基本法の改悪、「裏」では「教育」の場から左派の主張を抹殺して行こうとする施策の基に進められているのではないか。