1925年9月14日。古田大次郎『獄中手記』「厭に、永久に永久にと言ふ。だがその言葉の意味は、ハッキリ僕には解らないのだ。只言つて気持がいゝからヤタラに使ふ。それだけなのだ。

布施弁護士から、ハッキリ外界の諸君の意見を聞く事が出来た、控訴は殆んど一人の反対もなしに、中止したがいゝとなつたさうだ。有難い。僕は感謝の念を禁ずる事が出来ない。外の三人も同様だらう。
 検事の控訴もないらしい。さうなれば愈々、この三、四日の内に三君ともお別れだ。この世ではもう会へなくなる。一人暫くの間こゝに取残される僕は淋しい。
 
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